雑記帳 二〇二四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇二〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十五年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十四年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十三年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十二年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇十一年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇一〇年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
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橘井堂二〇十六年極月三十日

根津甚八さんの訃報、ピエール・バルーさんの訃報が立て続けに届く。
「骨風」の舞台で生と死を、芸能の地脈を辿っていた後だけに、余計に大きく迫ってくる。
状況劇場にいた根津甚八さんと、クロード・ルルーシュ監督の「男と女」はフランシス・レイの音楽があまりにも有名だが、この映画で俳優として、音楽家としてその存在を知らしめたピエール・バルーという一見、無関係に見えるかもしれない二人の存在は僕にとってとても大きい。
思春期だった1960年代、映画を見たのは後からだったが「男と女」のメロディーを知らぬ人などいなかった。
その後やはりクロード・ルルーシュ監督、フランシス・レイの音楽の「白い恋人たち」のテーマ曲もヒットし、フランスはグルノーブルで開催された冬季オリンピックのドキュメンタリー映画もヒットした。
ピエール・バルーは、そのテーマ曲の歌入りバージョンも唄っていた。
切なく、苦しいほどの甘さ・・・そして溶けてしまうほどの冷たく熱い硬質な結晶・・・二つの世界の共通因子だ。

今もこうして、サウンドトラックを聴いている。
寒い季節によく似合う。

数年前、渋谷のサラヴァ東京でピエール・バルーのライブがあり、奥様のアツコさんからのオファーを受け、なんと僕はピエール・バルーさんの歌と共に「サヴァ・サヴィアン」「時と時刻」という曲の日本語訳の朗読でステージに立たせていただいたことがある。
「時と時刻」という詩は以前、緒方拳さんが朗読をなさり、ピエール・バルー監督「時と時刻」という映像作品でご覧いただける。
それにしても、夢のようだったな・・・。

根津さんとは劇団は入れ違いで同じ時期にいたことはないけれど、テレビドラマで何度かご一緒させていただいた。
同門ということで暖かく迎えてくださったことが嬉しかった。

12月18日に「骨風」の千秋楽を迎え、その後、すぐに京都でドラマの撮影に入ったので、感傷に浸る暇もないけれど、濃密な舞台の時空と、これまでに浴びてきた多くの素晴らしい表現の数々が渦巻いて一瞬のうちに身体を通り過ぎていく感覚に襲われる。

なんと濃密な一年であったことか・・・。
これを糧に、来年もまた駆け抜けよう!!

良いお年を!!!

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★2014年12月7日、サラヴァ東京のライブでピエール・バルーさんとご一緒🎶


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★「時と時刻」の朗読で使用した手書きの歌詞にサインしていただきました。

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橘井堂二〇十六年極月二十三日

篠原勝之・原作、山崎哲・作・演出「骨風」、12月18日、千穐楽の公演を終えた。
一部「芋虫」、二部「影踏み」・・・3時間舞台に立ちっぱなしのクマさん役。
自伝的小説、日記小説・・・という形態。
で、登場人物も篠原勝之・・・通称クマさんが出演しているのにクマさん役は僕が務めさせていただいた。
こんなにも神経を張り詰め続けた舞台があったろうか・・・と思うが、それは山崎哲さんの舞台では毎回感じること。
・・・とはいえ、やはり・・・でありました。
安達祐実さんとの二人芝居「春」だって2時間20分あったし、出ずっぱりだった。
だけど、今回は、少年時代や祖父の体験したであろう戦争体験など、様々な回想が巡る中、舞台に立ち続け、入れ替わり立ち替わり、これでもか!!!!というほど次から次へと登場人物が襲ってくる。
好評のうちに舞台は終わったが、自分のなかで解決しきれない「演じる」という呪縛から解放されることはない・・・ということも思い知る。

吉澤健さん、四谷シモンさん、大久保鷹さん、中嶋夏さん、十貫寺梅軒さん、そして、クマさん・・・状況劇場の先輩たちに若松孝二監督作品晩年の看板俳優、井浦新さんも加わり、劇中、若松監督が登場することもあり、文字通り生と死、虚実を超えた世界を生きた。
加えて、山崎哲さんの徹底した演技訓練を受け、新・転位21に在籍していた、おかのみかさん、徳弘紗江さんの存在にも奮い立たされた。
残念ながら、田口ランディさんら何人かは参加できなくなったけれど、最後まで踏ん張った漫画家の田村信さんの存在も大きかった。
途中から急遽参加した最晩年の状況劇場のメンバー、伊藤正之さんの参加も嬉しかったなあ。
林海象監督は大学の仕事が忙しく、なかなか稽古に参加できず、本番も半分ほどの出演だったが、一番楽しんでいたように見えた。
状況劇場や若松プロは林海象監督にとって憧れの存在。
今回、正面からぶつかった時間は確かに特別だったろう。
状況劇場をやめた次の瞬間から林海象監督と共に映画を始めた僕らにとって、この「骨風」は、やっと先輩たちの仲間に加わることのできたスタート地点なのかもしれない。

そして、飛び飛びとはいえ、3ヶ月参加したワークショップの皆さんも、その演技のことを言い出せばまた稽古場に戻ってしまうが、このメンバーだったからこその「骨風」であったことは間違いない。
ワークショップに参加していた瀧本さんは実は42年前にシェイクスピアシアター旗揚げの時のメンバー!!
ずっと役者は辞めていたそうだが、しばらく前から再開!?・・・こんなこともあるんだなあ〜と。
劇団の公演だから当たり前といえば当たり前だが、武井翔子さん、紀那きりこさん、冨田裕子さん、世良啓さん、みんな裏方の仕事でも献身的に支えてくれていました。
大変な制作の仕事と共に舞台にも立った森島明美さんや、舞台監督の武川喜俊さん、照明の海藤春樹さん、伊集院もと子さん、音響の半田充さん、衣装は大御所、伊藤佐智子さん!!
娘の八雲も、今回、ラストシーンを飾る壁画を担当。
一家総出の舞台でもありました。^^"
一方、起代美ちゃんは17歳の女子高生、これが初舞台!!
そしてこちらも初舞台は宮脇麻那さん、グラビアアイドルとしてDVDも6枚リリースしているというからオドロキ!!
二人とも厳しい山崎哲さんの演出と向かい合ってきたことは、この先、どんな現場に行っても役に立つはず。

気がついたのは、ここには記しきれないほどのたくさんのメンバーが、実は関わっていた今回の「骨風」。
ただただ、感謝!!!でありました。

状況劇場の先輩でずっと仲良くしてくれた安保由夫さんや若松孝二監督・・・亡くなられた先達たちがこの舞台を喜んでくれていたに違いないと信じます。

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★若松組、状況劇場の大先輩、吉澤健さんと舞台裏で。
二人でお弁当を食べるシーンが、とにかく好評でした🎶


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★大久保鷹さん!!!この人に憧れて、状況劇場の門を叩いたのでした。


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★舞台美術で八雲と森島さんの娘さん、花ちゃんが作ったブリキのサボテンやミニトマト。


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★新のセルフィー、骨風街道と云われた狭い楽屋兼通路。


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★女子部の記念写真。


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★新、クマさん、佐野も加わって🎶


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★起代美と麻那。ホント、姉妹のようでした。


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★こちらも兄弟分だぜ!!


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★山崎哲さんのFBより。

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橘井堂二〇十六年極月十五日

「骨風」、中日を折り返した。
なかなか納得のいくようにはできないが、それでも、出演者、スタッフ、全員が戦っている。
作り続けている。
あと5ステージしかない。
篠原勝之、山崎哲、中嶋夏、四谷シモン、吉澤健、大久保鷹、十貫寺梅軒・・・状況劇場の先輩たちと、僕や石川真希、若松孝二組の晩年の看板俳優、井浦新を加え、ここに集う役者陣と共にのたうち回り続ける。
芝居は状況劇場の座付き作曲家、安保由夫さんに捧げられ、唐十郎を中心とした輪の中で亡くなられた方々にも捧げられている。

今日の舞台も課題は満載だ。
後も先もない。
今を正直に生きるのみ!!

昨日のアフタートークは梶芽衣子の女囚シリーズや「誘拐報道」などで知られる伊藤俊也監督。
トークゲストの中で最高齢にもかかわらず、鋭敏なご批評、嬉しかったなあ🎶
正直なご感想が一番だな!!

なんか、すでにだんだん寂しくなってきている。
が、決して感傷には浸るまい。

劇中のセリフ。
「天気は晴れ晴れ、今日も晴れ晴れ」

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★劇場受付。劇場にはクマさんや合田佐和子さんのポスターや作品がずらり。
芝居もまた、ギャラリーの中の一つの展示物なのだ。


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★若松孝二組、若手(?)三人衆。井浦新、石川真希、佐野史郎。


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★状況劇場、古参、三人衆^^"手前は若松組、状況劇場の初期の2枚目スタア、吉澤健!!
後方、大久保鷹、十貫寺梅軒🎶


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★座組、きっての若手、 起代美、17歳。
初舞台にして、とてつもなく高度な演技を要求される。開場前の舞台の片隅で何を思う?
共に千秋楽まで、戦い続けようぜ!!)


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★起代美の姉貴分・・・というか姉妹みたい!!宮脇麻耶🎶
劇用の編み物を楽屋で編む。普段はグラビアアイドルらしい・・・なんか、オトーサンの気分><
それにしても、なんと様々な顔面が揃っていることか!!^^"


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★Uボートと呼んでいる狭〜い楽屋けん通路。
手前より、井浦新、クマさん、梅軒さん、シモンさん🎶奥に白塗りの中嶋夏さん。


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★骨風の舞台設定にも出てくる高円寺の居酒屋、一徳にて。安保ちゃんの奥さま、クロちゃんも観に来てくださいました🎶


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★舞台美術のサボテン。今回、美術に娘の八雲も参加、一家総出なのだ^^"


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★中日のアフタートーク。伊藤俊也監督を囲んで石川真希、佐野、山崎哲さんと。


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★物販の、井浦新と僕の写真帳、若松監督や唐さん、金子國義さんなど「骨」「風」、お宝写真、満載です🎶

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橘井堂二〇十六年極月九日

「骨風」、初日の幕が開いた。 高田馬場のラビネスト。
80人ほどの小さな小屋。
状況劇場のメンバーたち、若松孝二組の俳優、山崎哲さんの新・転位21の面々、ワークショップから選ばれた役者陣・・・。
それぞれが、それぞれの想いを込めて。

開場と同時に、役者陣は舞台上で普段着のままお客さんたちが買い求めた物販にサインをしたり、お話ししたり。
四谷シモンさんの新刊書や、クマさんの原作「骨風」、僕と井浦新で作ったクマさん、状況劇場、若松組を巡る写真集「骨風」など。
劇場ではクマさんが描いた「骨風」のポスターの版画も販売、写真集の表紙「マミヤフレックスの叫び」の版画も。
他にも状況劇場時代のポスターや、亡くなられた合田佐和子さんの作品などを展示。

開演。
まずは中嶋夏さんの、この芝居の核でもあるテーマ、追悼の想いを込めた「骨風」の舞踏。
第一部「芋虫」、第二部「影踏み」。
アフタートークは李麗仙さんと元・武蔵美の心理学の教授、立花義遼さん。
進行は僕と石川真希で。
計、3時間半あまりの長丁場。
演じる方も、観客も、まさに一心同体!!??

李さんがいらしたので、状況劇場の創立期から解散の頃までのメンバーも出演していることだしと、舞台上で記念写真も。

千秋楽まで、さらに気を引き締めて挑もう!!

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★元・状況劇場のメンバー。後方、左より伊藤正之、四谷シモン、篠原勝之、大久保鷹、佐野史郎、前列左より石川真希、十貫寺梅軒、李麗仙、吉澤健、山崎哲。(撮影:井浦新)


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橘井堂二〇十六年極月八日

12月8日、篠原勝之原作、山崎哲・作・構成・演出「骨風」初日の朝。
快晴。
セリフにある「天気は晴れ晴れ、今日も晴れ晴れ」を想い、舞台に臨もう。
やれることはやってきたつもりだ。
まだまだ気づかぬ発見が散りばめられていることだろう。
それを探しに13ステージの旅に出かけよう。
一瞬たりとも気を抜いたら終わり。
舞台から奈落の底に落ちる。
役者の道を歩み始めて41年、ここから・・・の俳優人生なのだな・・・。
「骨風」の足跡は、山崎哲さんのFBでご覧頂けます。
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橘井堂二〇十六年極月一日

師走。
毎年、同じことを感じるけれど、今年も一年が速かった。
けれど、今年の師走は一味違う。
舞台「骨風」があるからだ。
80人ほどの劇場に、元・状況劇場、若松孝二組の俳優たちが集まり、そこに参加しようと若手たちも集まった。
当初参加予定だったメンバーの何人かが参加できなくなったことは残念だが、それもまたこの作品に参加する一つの形だと僕は思っている。
あと一週間で初日。
悔いのない舞台にすべく、一瞬一瞬を大切にしていこう。

「骨風」は状況劇場の先輩、安保由夫さんや若松孝二監督の追悼の想いが込められているが、ここ数年、演劇評論家の扇田昭彦さんや画家の金子國義さん、合田佐和子さんら、状況劇場ゆかりの方々も相次いで亡くなられた。
稽古中にはやはりゆかりの荒戸源次郎さんも亡くなられたし、個人的には音楽やドラマでご一緒させていただいたりりぃさんの訃報にも胸を痛めた。
母型の親戚の、邦楽家でもあった山崎昌おじさんも亡くなられ、子供の頃からの想い出が、それこそ走馬灯のように巡った。

先日の松江での小泉八雲・朗読の夕べ「転生」は、こちらも「骨風」同様、滅びと再生の世界であった。
還暦を過ぎ、もう一度人生を始め直す歳になったからだろうか?
今年もあとわずかで終わり、また新たな年が始まる。
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