雑記帳 二〇〇九年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇八年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇七年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
二〇〇六年 睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神在月 霜月 極月
zakki_top.gif

橘 
井堂二〇〇九年弥生二十三日

NHKの土曜ドラマ『風に舞うビニールシート』は、6月放送予定で、全5話なのですが、2月から飛び飛びに撮っていて、まだもう少し続くなか、4月からの連続ドラマ『アイシテル 海容』の撮影も始まりました。

『風に舞う〜』は、国連難民高等弁護官事務所〜UNHCRを舞台にしたドラマで、豊かな国に住む人間が、内戦等で母国に住むことが困難になり、国を追われた難民たちに何ができるのか・・・を問うた作品。
こうして、戦争を60年以上もしないで済んできた日本。
けれど、間接的には、常にどこかで起こる戦争に加担してきたかもしれない私たち。
消費する商品、ひとつひとつの向こうにある物語を考えると、身動きが取れなくなってしまうほどです。
では何が出来るのか?
こうして、ドラマを通して、みんなで難民問題のことを少しでも心に留めてもらえるよう、作品に参加させてもらえることも、今の自分にできることのひとつ。
あるいは、外食するのを一回減らし、月々わずかだけど、難民たちに必要な毛布やビニールシートなどを提供できる金額を寄付させていただく。
声高に運動したり、改革を唱えることも、ある時は必要なのかもしれないけれど、急激な変化は、必ずひずみを生んでしまう・・・と、個人的には、臆病になってしまうので、こうして、たまには綴ってみたりしました。
UNHCRのサイト、ちょっと覗いて見てください。

『アイシテル 海容』は、伊藤 実さん原作のコミックのドラマ化。
平凡な家族をに起こった殺人事件は、少年が少年を殺害するという、実際におきた事件を想いおこさずにはいられない内容。
佐野は、殺された息子の父親役。
ドラマは、決してサスペンス風に、「犯人は誰か?」などとあおるものではないところに共感。
家族のあり方、夫婦の関係、子育てとどう向きあうか・・・実際に家庭を営む個人としても、単なるドラマとして捕らえることなどできません。
事件の起こった、社会的背景を考察しつつ、やはり、今、できることといえば、今、目の前にいる人と、ちゃんと会話をし、相手の想いや、気配を受けとめること・・・。
日常、情けないオトーサンの佐野が、どこまで受け止めることができるのか・・・?
昨年立った舞台、新転位21の公演『シャケと軍手』は、秋田児童連続殺害事件を扱ったものでしたが、稽古場で演出から厳しく言われたことは、守らなければ・・・と肝に命じ、挑みたいと思います。
「実際のご遺族の方がご覧になった時のことを考えてみろ!!」
「ウソ芝居をするな!」

・・・うう・・・また、弱い己と、向きあわざるを得ない日々との戦いが始まります。
zakki_bottom.gif

戻る
zakki_top.gif

橘 
井堂二〇〇九年弥生七日

54歳の誕生日は、フジフイルムの方々やRe:sの編集長、藤本智士さんらとフイルムカメラ、銀塩写真のイベントの打ち合わせ。
藤本さんから"THE BOOOK OF SHADOWS"っていう素敵な写真集をプレゼントしていただき、恐縮。
この写真集、必ず撮影者の影が写り込んでいる写真ばかりが収められているもの。
丁度、雑記帳で、イタリアのブラッチアーノで撮った湖面に写る自分の写真を載せたばかりだったこともあり、またしても、以心伝心。
Re:sのみなさんとは、そんな符合がたくさんあって、写真を巡っての旅は、まだまだ始まったばかりのようです。

photo

★川平慈英氏と

でもって、以前、5年間務めさせていただいた番組『特命リサーチ200X』のスタッフの方々や、おともだちが集まってくださり、お誕生会を開いてくださいました。
いやあ〜、なんだか、いい歳をして照れくさくもありましたが、キャストでは川平慈英氏が駆けつけてくれたり、東ちづるさんにいらしていただいたり・・・。
久しぶりにワイワイみんなでできて、とても、楽しかったです!!
何年経っても、あの番組、愛着があるのですよ〜。
また、スペシャルででも、できないかな〜?

お開きになった後、新宿、ナジャへ。
店に入るや否や、若松孝二監督が!!!
「お前、誕生日か、よし、シャンペンあけてくれ!」と、親分の心遣いに感激・・・。
幾つになっても、監督にはお世話になりっぱなしです。
また、新たな作品との出会い、期待しています!!!

春になり、また、身の引き締まるような想いで取り組まなければならない作品ばかりが続くなか、昨日は林海象監督の新作ショートムービーの撮影がありました。
変わらずに探偵の世界。
でもって、フェティッシュな肌触り・・・。
少女人形が出て来たり・・・。

好きな世界観に彩られた作品に参加できる喜びは、何事にも変えがたいもの。
で、そう言う時って、何故か、同じ様な題材が続いたりして、これもまた、以心伝心か、シンクロニシティか?
チェコのアニメーション監督で、シュヴァンクマイエル監督と並ぶ、イジィ・バルタ監督の新作が、まさに人形と人間の境を行きつ戻りつする世界観。
乱歩の「押し絵と旅する男」や、アンデルセンの「すずの兵隊」のような・・・。
日本語吹き替え版を、期せずして、やはり林組、常連の貫地谷しほりちゃんとやることになったのも、妙な縁でした・・・。
公開を楽しみにしていてくださいまし。

photo

★貫地谷しほりちゃんと


最後に、永きに渡って見守ってくださっているファンのみなさん、バースデイカード、お手紙、メールを色々いただき、ありがとうございました!!!
そして、お声はおかけくださらなくとも、ここを覗いてくださるだけの方々も、気にかけてくださって感謝!であります。
反省することの多い佐野ではありますが、54歳も、突っ走って参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
zakki_bottom.gif

戻る
zakki_top.gif

橘 
井堂二〇〇九年弥生四日

あ〜54歳の誕生日。
35年前の春に芝居の世界に足を突っ込んでから、あっという間。
ホント、色んなことがありました。
月並みですが、家族や、友人、先輩、後輩、仕事仲間たちに支えられてのこと。
そして、こんな、佐野を、少しでも気にしてくださる方々がいらっしゃればこそ、ホント、励みになります。
還暦まで6年、残りの50代は、ひとつひとつ、丁寧にやりとげていきたいもの。
どこまで妥協せずにいけるか・・・すぐ諦めちゃったり、他人任せにしてしまうところがあるので・・・。
まあ、いくら反省したところで、やらなきゃどうにもならんのですが・・・。

3月4日は、なんでも、「み(3)んなし(4)あわせ」な日だそうで・・・。
せめて、数字くらいにはあやかりたいものですが・・・。

テレビのニュースやワイドショーでは、朝から各局、民主党の小沢一郎代表の公設秘書の政治資金規正法違反容疑の会見や討論で喧々諤々でしたが、モノの観方、捉え方によって物事はまったく別の見え方をするものでしょうから、真実が何かとか、事実はどうなのか・・・という議論は、さておき(おいてはおけないことではありますが)、法律がどうであれ、気になるのはコメンテーターやキャスター、もちろん小沢代表もですが「思っていることを正直に言葉として発語しているかどうか」ということ。
台詞を発語する時に、何も、役柄の喋る言葉を個人として賛同するわけではない時でも、その言葉の力を信じて発語しなくてはならないと思うのです。
それを考えると、「音」は正直だな〜と、テレビモニターを観ていて思いました。
たとえば、あるキャスターが、ムキになって、任された進行どおりに進めようとしてはいても、本人がその内容を咀嚼せずに演じてしまって発語している「音」は無惨だな・・・と思いました。
まあ、いわゆる、「演技をしている、オシバイをしている」というヤツです。
人は、あらゆるシチュエーションで、臨機応変に演じ分けている生き物ではあるのでしょうが、無自覚か否かは、大きな違いがあると思うのです。
・・・メディアと権力の怖さをかいま見た気がして、俳優の仕事も、同様に、「よく思考し、咀嚼し、身体に正直に」反応していかなければ、何の説得力も持たないのだな・・・と、ゾッとしました。
こわいな〜。

そんな誕生日です。 
zakki_bottom.gif

戻る
zakki_top.gif

橘 
井堂二〇〇九年弥生一日

・・・というわけで、行って参りました!
渋谷CCレモンホールでの加藤和彦さんと坂崎幸之助さんのユニット、「和幸」のライヴ。
ニューアルバム「ひっぴいえんど」のレコ発ツアーの最終日・・・といっても、大阪と東京の2回しかないのですが・・・。
坂崎さんとは、昨年、鈴木茂さんとSANCHのライヴでご一緒した時の余韻も、まだ冷めやらないうちに、また、このような豪華なステージに触れることができ・・・ラッキー!
ホント、今週はスケジュールが空いてて、音楽の神さまに感謝!です。

で、ライヴですが、基本的には「はっぴいえんど」のパロディの形をとりながら、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングのライヴの名盤"4WAY
STREET"の世界。バックミュージシャンも世界中から集められ、今が何時で何処なのかわからなくなるような世界観。
ゲストミュージシャンのなかでのビックリは、元、ガロの大野真澄さん。
完全にCSN&Y!ガロのヒット曲「学生街の喫茶店」は、これまた、ガロそのまま!?
カバー曲も岡林信康さんの「自由への長い旅」や遠藤賢司さんの「カレーライス」、滝廉太郎の「花」があったりと、良い曲ならばなんでもやってしまおう!というのは、フォーククルセダーズからの変わらぬ姿勢・・・この節操のなさ、好きです。
「はっぴいえんど」の楽曲のパロディといいながら、曲は、原曲のエッセンスがちょっと入っているくらいで、まったくの新曲。
歌詞も、オリジナルをひねりながらも、それは、あくまで手段と叩き台にとどめています。
真っ正面からではないですが、斜に構えたように見えつつ、その実は、重くて、世界の本質と向きあっています。
分かられにくいだろうな〜と思うのですが・・・イバラの道を、あえて進んでいるのでしょうか?!
でも、軽やかに見えてしまう、フザケルナ!・・・といわれてもしようがないことをやってる・・・まあ、「帰ってきたヨッパライ」から何も変わらずに、ブレずに突き進んでいらっしゃるということでしょうね・・・。
でも、合間にある、シリアスなメッセージは、確実にあって、届いていますよ!

加藤和彦さんがフォークル解散後に出したソロのシングルやアルバムからもセレクトされていて、これは佐野も以前からリクエストしていたので嬉しかった〜。
坂崎さんと、「あの曲が良い、これもやって欲しい」などとよく話していたのですが、「アーサー博士の人力飛行機」は当時の重さが失われることなく、佐野好みのロック!「不思議な日」はアレンジがジプシーキングス風でしたが新鮮でした。
こうなると、「僕のおもちゃ箱」「アーサーのブティック」「日本の幸福」「ネズミチュウチュウネコニャンニャン」「僕のそばにおいでよ」「9月はほうき星が流れる月」などもやって欲しいもの!
よろしくね! 加藤さん、坂崎さん!
zakki_bottom.gif

戻る

目次ヘモドル