佐野史郎の音楽的生活

音楽との出会い

1997/10/1
そもそもの音楽との出会いに関して聞きましょうか。

ここで、ちょっとお坊っちゃまぶりを発揮すると(笑)、オーディオマニアで理科系だった父親が自作の真空管アンプとかいろいろ作っていて、それでクラシックを聴いてたんだよね。父親はヴァイオリンを弾く人だからバッハの「G線上のアリア」とかかけてたし、オペラも聴いてた。母親もピアノを弾く人で、夫婦揃ってクラシック趣味があったわけだ。

お上品なご家庭ですこと。

まあ、父親のヴァイオリンを聴いて育ったおかげで、先天的なリズムを崩されちゃったけどね。

それ、どういうこと?

オヤジのヴァイオリン、リズムが悪いから。(笑)
でも、そのおかげで、弦の音に対する感覚みたいなものは擦り込まれたんじゃないかと、自分なりに分析してるけどね。

そのヴァイオリンも習ってたのに、挫折してるんだよね。

小学校の時に松江に転校してから正式にヴァイオリンを習いはじめて、2冊くらいこなしたんだけど、ダメだったな。だから、昔は譜面が読めたんだよ。

いまやコード譜しか読めないという。

忘れちゃったんだよね。(笑)
最終的には、ヴィブラートがかけられなかったのが敗因だったね。

いまは、ギターを弾くときにヴィブラートをかけてるでしょ。

いや、いまでも上にチョーキングは出来るけどヴィブラートはかけられない。(笑)下は出来るのになー。それで、挫折した。

そのころは何を聴いてたんだろう?

ディズニーの『眠れる森の美女』。チャイコフスキーのやつ。物心ついてからは森山加代子の曲で好きになった曲があったのを覚えてる。

グループサウンズとビートルズ

1997/10/1
ビートルズやグループサウンズで覚えてることは?

ビートルズの映画『ヘルプ』を観に行ったのが最初で、『ヤア!ヤア!ヤア!』は後になってからだったな。最初は、リンゴ以外の顔の違いが分からなかったね。

ああ、昔から顔音痴だったからね。最初に買ったビートルズのレコードは?

「ヘルプ/アイム・ダウン」のシングル。
グループ・サウンズはスパイダースが好きだった。小学校のときに最初に観たロック・バンドがスパイダースだからね。この時の前座のバンドがベンチャーズの「ブルドック」を演ったっんだけど、ドラムの音の大きさにビックリした。
そして、中一のときにフォーク・クルセイダースを生で観たのでフォークも好きになっちゃったんだ。あとはTVの「ヤング720」にゴールデン・カップス、ハプニングス・フォー、エイプリル・フールとか出たのを覚えてる。

エイプリル・フールといえば細野晴臣、松本零(隆)、小坂忠、柳田ヒロだ。

ベースが細野さんだったの は覚えてるな。すごく悪―い印象のバンドだった。(笑)
ジャックスが出たのも覚えてるよ。早川義夫さんは髪の毛を腰ぐらいまで伸ばしてたから、司会の北山修が髪を切れって言って、なんか嫌―な感じだなーと思った。それに「学校行ってる?」とか聞くんだよ。まったく、何言ってるんだろうと思いながら観てたよ。

さすがに、体制に疑問を抱く佐野くんらしい一面だね。はじめて買ったビートルズのLPは?

全世界同時発売だった『サー・ジェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』だと思う。