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二〇〇五年葉月二十八日 夏休みも終りが近づき、中２の娘は宿題におわれている。 とはいえ、この夏は松江から母が妹と姪と一緒に上京してきたので、田舎には帰らずとも夏休み気分は満喫したようだ。 母も父を亡くしてからは、なかなか家を空けられず、出かけることも少なかったので久しぶりの東京を楽しんでいた。 以前は舞台もよく観にきてくれていたものだが、近年は足が遠のいていたし……。 ……というわけで僕の舞台ではないが、歌舞伎座に納涼歌舞伎を観にでかけた。 桟敷席を奮発し、気分はすっかり小津映画。 「金閣寺」「橋弁慶」「雨乞狐」を楽しんだ。 「金閣寺」では児太郎時代から好きだった福助や、染五郎が、「橋弁慶」では獅童の弁慶と七之助の牛若丸が共によかった。 獅童は身体は細いがまるで火花がはじけるようだったな……。 しかし、残るのは「雨乞狐」の勘太郎である。時分の華……とでもいうのだろうか、若さと技量のせめぎあいが絶妙で堪能した。 我が身を振りかえり、役者の仕事のなんたるかを呈示されたようで戒められもしました。 新しい映画の撮影、秋のドラマ等々、あわただしい日々ですが、夏の暑さのなかに少し秋の気配を感じられる瞬間もあり、季節が愛しくもあります。 あ、「容疑者　室井慎次」も公開し、舞台挨拶に出かけましたが、かなりの盛りあがりでしたヨ!!

二〇〇五年葉月十五日 お盆ですね。 御先祖のみなさまや親父の霊も帰ってきてるかな？ 石井輝男監督はまだしばらくはいらっしゃるでしょうが、先輩の映画人たちももどってきてたら、ずいぶんと賑やかでしょうね……。 橋本真也さんも力道山と会えたりするのかしら……？ 毎日暑いですが、みなさん、バテてませんか？ 僕はお盆の間は撮影はなく、何本か芝居を観に行ったりしてました。 昨日も沢田研二さんと坂井真紀ちゃんの「センセイの鞄」というお芝居を観に……。 久世光彦さんの演出。 楽屋に真紀ちゃん訪ねたらいらっしゃってて、初めてお話させていただきましたが、やはり、面白く、素敵な方でした。 江戸川乱歩や小津安二郎……久世さんがお好きなもの、重なるところも少なくなく、なんか意識してしまいます。 楽屋には真行寺君枝さん、写真家の安珠さん、原作の川上弘美さん……とても賑やかでした。 真紀ちゃんは、舞台上はもちろんのこと、ずいぶんとオトナの女性…というカンジで、ドラマ『ダブルキッチン』の頃からのことを想うと、友人として、表現者同士として、感慨深いものがあります。 でもって、ちゃんと、ロック魂打ち出してるし！ しかし、やはり、ぼくらにとって、沢田研二という人は永遠の「ジュリー〜!!」ですネ!! お会いするだけでドキドキしてしまいます〜。 「月」がキーワードの物語だったのですが、今取り組んでいる作品も同じだったので個人的にも想いをめぐらせておりました。 写真集やプリントとかね、気になる今日この頃です。 ちょっと前のアサヒカメラ、そういや、僕の写真も載せていただきましたっけ……オハズカシイ。 エアコンを消して、窓を開けて、風を通して、暑いけどキモチイイ〜。 卓上ポータブルプレイヤーで大瀧詠一の“A　LONG　VACATION”流してます。 う〜ん、やはり、夏の定番でしょう!! 名盤は何年たってもいいもんだ……。 さてと、じゃ、ゲッツ＆ジルベルトかな？ フジロックでジョビンやったのに味をしめて、ここのところ、ポロポロとボサノヴァ・ギター爪弾いたり……。 夏……こうして、いろんな時間が過ぎていきます。

二〇〇五年葉月一日 フジロック、楽しかったよ〜!! 詳しくはまた書きますが、前日までの雨も夕方までは晴れ、僕等の出番のお昼すぎはとても気持ちよかったです。 山に囲まれての演奏はなんともいえない格別なものでした。 とりあえず、興奮さめやらず……。