橘井堂 佐野
2001年7月8日



『あの胸にもう一度』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
あたしオートバイに乗りたいな
いつか夢の中で走ったように
エンジン音は聞こえるけど
それはまるで滑るような
なめらかな走りよ

ほどよく冷えた鉄に跨がれば
どこだってすぐに行けそう
遠いあの胸にさえも 遠いあの胸にさえも

だからオートバイに乗りたいわ
たぶん上手くできると思う
ひとりぼっちの感じが
頭を冴え渡らせる
ぜんぜん大丈夫よ

夜にとける程スピード出すわ
高鳴る鼓動の速さで
あの胸にもう一度 あの胸にもう一度…



『プレゼント』
作詞・作曲:佐野史郎
唇に人さし指を
押しあてる癖
それは
君に秘密が多いせい

眠りの淵からうず巻いて
流れ出る
夢の欠片
拾い集めて君へのプレゼント

その夢は見たこともない
妙な街で
水に満ちてネオンサインが
眩しかった



『磨かれた金属』
作詞:石川真希 作曲:夢野ワンダ
夜風に飛ばされて歩いたことや
眠れないあの夜と夜のことは
誰にも言わずに閉じこめて
酸っぱいふたりの果実が
美味しくなるのを待ちましょう

*磨かれた金属を胸にかくして
ただその時を待っている
痛みの中にさえ甘さがあることを
あなたは教えてくれたじゃない

心の秘密は言わないけれど
不思議な予感を信じるならば
その法則に従って
ふたりのまわりの暗号を
秘かに解いて読み取って

磨かれた金属を胸に抱いた
ああその人が好きなの
痛みの中にさえ甘さがあることを
私は知ってしまったの

*くり返し



『直感の城』
作詞:石川真希 作曲:周藤アキタカ
人のたえた路地に響くその靴音
それはいつか小さな羽ばたきになり
さがし求めてた窓を開けて
果てのない旅に連れ出す為
町が黒いマントに覆われているその間に
時間のお城も崩れるほどの
長い長い長い旅
一目会った時から

そうよあたし達はもう死ねないでしょう
誰か胸に杭を打ち込む日まで
眩しい光と引きかえに
果てのない夜をわけてあげる
時は黒いマントの中で眠っているから
あのお城がどこにあるのか
二人はとうに知ってる
一目会った時から



『遠い星』
作詞・作曲:佐野史郎
空高く敷きつめられた
うろこ雲
薄い空の碧さは
どこか遠い星のようだね

ほら まだ もう すこし
風が
冷たい
また全てが愛しくなる
ここが一番 好きな場所

歩いていたい君と
ここが一番 好きな場所

そう ここは どこか
遠い星のようだね



『狼の太陽』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
すっかり疲れきっていたはずなのに
心は踊り続けてたわね
終わりのような 前ぶれのような
奇妙な夜だった

帰る処があるなんて
もう忘れてしまいたいと思ったの
すべてのことが同じように
胸に響きあって

荒野を見渡す岩山に立つ
二匹のつがいのように
いつまでもいつまでも
ただ風に吹かれて
夜明けの前の空に
二人で見上げた狼の太陽



『真綿』
作詞・作曲:石川真希
とてもくたびれて 今は真綿が欲しいの
今はその中で少し眠っていたいの

誰も起こさない 私のからだと同じ
同じ温かさにそっと包まれていたい

あなたに会えない夜は
こうして蚕のように
ぬくぬくと淡い想いを温めつづけるわ
でもでも本当は
喋々になって飛んでいきたいの

そんな寂しさも 今は真綿が包んで
やさしくなぐさめて静かに眠らせてくれる
私はその中で あなたの温もりを想い
切なさにふるえながら 少しづつ変わりはじめる



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『小部屋』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
散らかしたままにしてね
記憶のこの小部屋は
優しい埃のベールを
かけて眠っている
どこか暗い隅の方で
忘れていたオルゴール
鳴り出せばほらガラクタも
カタカタ震えてる

鍵の穴から覗けば
逆さまなその景色
ドアの中から聞こえる
幽かなそのざわめき
寒い夜も悲しい朝も
みんなみんな知っている
あの部屋へまた帰ろう
そこで少し遊ぼう



『結晶』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
今まで誰にも磨き出されずに
真暗な石の中で
少しづつ透明になりながら
眠り続けていた氷の山脈
今 お陽様にさらされて
幾千の牙をむいたのね
危ない あんまり覗き込んだら
プリズムの迷路に迷いこんじゃう

赤青緑 闇に染み出して
冷たい石の中で
さらにさらに固く尖りながら
じっと待っていた そんな時間が
いつ誰の手で起こされて
あたしの前に現れたのか
胸掘り起こすハンマーひとつ
その手の中に秘してたなんて



『送信機』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
こんなに寂しい気持ちにさせる
あなたのことが大嫌い
だけどあなたの魂は
どこかあたしと双子みたいね
ほんのささいな暗示さえ
とても大事な道しるべ
決して見逃がさないように
あたしは注意しているわ

今頃どこで何想う
あなたの事が忘れられない
あたしの心の熱だけが
二人を支えてるわけじゃない
どんな小さな出来事も
胸の間を行き来してる
今夜もずっと送り続ける
鼓動のモールス信号



『水の中から』
作詞・作曲:佐野史郎
生けるような蝋人形
唇は燃えるほど紅く
胸に刺さった太い釘に
脅えて触れることもできない
ここはどこなんだろう
一人ぼっちのとても古い画廊

階段を降りて行く
階下の部屋は水のなか
そこでギターをかき鳴らす
水のむこうにみんなが見える
この苦しい密度の音を抜け
解き放たれた懐かしい場所



『サン・スーシの公園』
作詞・作曲:佐野史郎
サン・スーシの公園の
小川の水面がさざめくよ
もう僕しかいないって
枯葉舞うなかささやいて
カサカサ コソコソ ザワザワと
木々の枝さえ追いたてる

サン・スーシの公園の
お城のなかを廻ったら
私もここにいるわって
柱の陰からとび出した
チクタク コチコチ ボンボンと
置き時計さえ驚いた

かすんだ陽射しが冷えてきて
鳥の声さえ途絶えたら
雲のスクリーンに映された
二人の寄りそう
影が流れる



『夢の祭り』
作詞:石川真希 作曲:佐野史郎
見たこともない馴染みの道を
どんどん歩いて行った
この町のお祭りは静かに賑って
どこへ行くのかもわからないまま
胸は高鳴ってゆくの

モザイク模様のアーチを抜けて
小さな広場を見渡せば
誰かによく似た知らない人が
こちらへおいでと手招いている
ここはどこかしら

何も言わずに手をつなぎ
こんなふうにあなたに会いたかったの
私を抱きよせキスをする
こんなふうにあなたに会えてよかった

描き割りのような人ごみの中で
二人はうっとり立ち止まる
もう何も考えるのはよしましょう
今が夢じゃないなんて
きっと誰にもわからない



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