橘井堂 佐野
2004年11月22日

怪奇俳優の演技手帖
「怪奇俳優の演技手帖」という本を上辞します。
役者を始めて30年、これまでに受けた教え、ダメ出しの数々を綴ってみました。
加えて、テレビドラマ、映画、演劇で縁の深い三人の方との対談も収録しました。
テレビドラマからは、足を向けては寝ることができない「冬彦」の生みの親、貴島誠一郎プロデューサー。
映画からは、巨匠であり、「キング オブ カルト」として、世界中にコアなファンを持つ石井輝男監督。「網走番外地」で高倉健さんを大スターとして送り出した手腕等、日本映画史上、欠かす事の出来ないお方。戦中からの映画史と俳優論を語っていただきました。
そして演劇からは、もちろんこの方、竹内銃一郎さん。JIS企画を中心に、これまで受けた現場でのダメ出しの集大成的対談となりました。
加えて、佐野の映画、演劇、ドラマ……それぞれの出演作品も、リストアップいたしました。

これから俳優を目指す方には、現場での作業がどのようなものであるのかを知るにはよいでしょうし、そうでない方にも、作品が生まれるまでの俳優の作業を知れば、観る方の楽しみも変わってくるかもしれません。
貴島さんはマネージャー、必携!っておっしゃってました。
俳優の邪悪な心を知り、コントロールするのにはどうしたらいいか……という参考にもなるようです。

「演技論」などという堅苦しいものでは決してございません。
演じていようが、どうしようが、結局、当人の身体に違いなく、つまるところ、どう生き、どう世界を捉えるかという、徒然を綴ったまでのこと。
ヒトはすべて「怪奇」なるものと解釈し、「俳優」もすべて「怪奇」なるものと捉えれば、「怪奇俳優」と銘打ってはいるものの、誰にでも思い当たることがあるのではないか……と、お読みいただければ幸いです。
是非、お求めくださいますよう、お願い申しあげます。

佐野史郎


『怪奇俳優の演技手帖(ノート)』/佐野史郎 ・岩波アクティブ新書/本体780円/12月3日発売

……書店、ネットショップ等で、是非、お求めください。(12月3日からの舞台「マダラ姫」のロビーでも販売の予定です。)

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