橘井堂 佐野
2014年6月24日

横山あきおさん、おつかれさまでした
横山あきおさんが亡くなられた。
1993年公開映画、石井輝男監督「ゲンセンカン主人」での「李さん一家」における、あの、つげ義春の世界から抜け出してきた演技は圧巻だった。
石井組の仲間たちが集う時、いつもニコニコ笑っていらっしゃったっけ・・・。
その後、お会いする機会は少なかったけれど、テレビや映画でお姿を拝見する度、僕の中の永遠の“昭和”が、むずむずと動き出すのでした。
漫才コンビ、“青空はるお、あきお”は小学生の頃から茶の間で観ていたし、あの、なんとも言えない脱力感、おかしみのセンスが、僕の中にも観客として染み付いていたと自覚します。
ハナ肇さん、谷啓さん、植木等さんらクレージーキャッツの方々や、フランキー堺さん、マルセ太郎さんなど、昭和の喜劇人や芸人、コメディアンの方々との共演がどれほど刺激的だったことか・・・。
決して華やかな空気を振りまく方ではなかったけれど、陰陽でいえば、やはり陰、太陽よりは月に惹かれるこの身には、横山あきおさんのような俳優としての全うの仕方は、ひとつの目標です。
先輩たちが次々とあちらの世界に旅立って行かれ、後輩としては寂しい限りです。
それでも、昭和の先達の魂のかけらほどでもこの先伝えることができたなら・・・と密かに想ってはおります。
横山あきおさん、どうか安らかにお眠り下さい。
ありがとうございました、そして、おつかれさまでした!!

                  平成26年6月24日

                             佐野史郎

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