橘井堂 佐野
2023年9月20日

佐野史郎写真展 瞬間と一日


「出演、執筆等」のポップと重複しますが、箱根彫刻の森での「佐野史郎写真展 瞬間と一日」について、あらためて。

そもそもは2001年、フジサンケイグループのカレンダー撮影の依頼を受けたところから始まりました。
10年ほど前に若松孝二組の仲間でもある井浦新氏が、箱根彫刻の森で写真展を開催しており、その頃、都内の写真のイベントで、新さんの写真を見に行ったことがあったのですが、そこで、彫刻の森のスタッフの方を紹介され、あまり記憶にはないのですけれど、「いつか・・・」みたいな話をしていたようです。
カレンダーはそれまでに、錚々たる写真家の方々が手掛けていらっしゃいましたが、ハービー山口さんもそのおひとり。
ハービーさんとは、かつてテレビ番組「東京会議」で、小山薫堂さんや松任谷正隆さんの写真作品を僕が審査する・・・なんて企画もあり、何かとご縁がありました。
彫刻の森の皆さんも、僕が写真を撮っている印象が強かったのでしょうか、ご指名をいただいたのは本当に嬉しかったです。
ところが、多発性骨髄腫が発覚し、闘病。
それでも、当初は2023年のカレンダーの予定でしたけれど、一年延期してくださり、2024年のカレンダー発売にこぎつけることができたのです。
さらには、撮影していく中で、写真展のお話もいただき、今回の展示につながっていったのでした。
今回、フイルム、デジタル、数種類のカメラで撮影しておりましたが、針穴写真にも挑戦しようと、ピンホールカメラでも撮影。 さまざまな写真の質感も楽しんでいただけたらと思っております。

当初は、カレンダーのために撮影した作品だけを展示するつもりでいたのですが、俳優である僕が写真を撮っていることが唐突すぎるように思われる方もいらっしゃるだろうからと、また、彫刻の森への来場者は多くの外国人観光客の方もいらっしゃるので、僕が何者なのかがわかるような展示になるよう考慮いたしました。

結果、導入部分では、なぜ僕が写真に惹かれていったのかを紐解く構成を心がけました。
佐野家に残る明治時代からのアルバムや、母方の実家が写真館であることなども紹介し、僕の中に流れる写真の因子を辿っていきます。
祖先や若き両親、僕の幼少期の写真など、また、故郷、松江や出雲の光景も並べて写真と神話を重ね、古代よりのこの国の歴史と、一家族の物語、さらには、彫刻作品なども通し、どんな世界が浮かび上がってくるのか、お楽しみいただけますよう。

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★佐野史郎 写真展「瞬間と一日」

佐野史郎 写真展「瞬間と一日」
2023年10月14日(土)〜2024年1月14日(日)
箱根彫刻の森美術館 丸太広場キトキ
開館時間 9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
*休館日なし
美術館入館料:大人 1,600円、大学・高校生 1,200円、中学・小学生 800円
映画やドラマ、舞台、音楽、そして写真活動など幅広く活躍する俳優、佐野史郎による写真展を開催します。本展は、彫刻の森美術館2024年カレンダーのための撮影を依頼したことから実現しました。 カレンダーに採用された作品は、野外彫刻美術館を題材にしており、〈ピンホールカメラ〉という古典的な撮影方法も用いています。小さな穴から差し込む光線を通じて像がフィルムに焼き付けられるピンホールカメラによって、独特な質感と精緻なディテールが生み出されています。これらの作品は、昔ながらの技法と現代の視点が見事に融合し、佐野の写真家としての原点を表現しています。 さらに、佐野家に保管されているアルバムや、これまでに撮影した作品と共に佐野の写真活動を辿る「佐野史郎 写真史」を自ら綴り、展示いたします。
主催:彫刻の森美術館(公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団)
協力:東京リスマチック株式会社
サンケイ総合印刷株式会社
株式会社mewgull
吉原写真館(新潟県新発田市)
★「2024年箱根彫刻の森美術館カレンダー」
2023年10月12日(木)発売予定
価格:¥1,540(税込)
サイズ:壁掛けカレンダー(使用サイズ縦30cm×横30cm)
購入方法:彫刻の森美術館ショップ、一部書店、amazon等で販売予定
★トークショー
開催日:2023年10月14日(土)13:30〜14:30
会場:彫刻の森美術館 丸太広場キトキ
トークテーマ:ミュージックとアート、彫刻の森、写真 など
出演:佐野史郎、立川直樹
参加料:2,600円(入館券&グッズ付き) 事前申し込み/応募人数100名
特設サイトよりトークイベント参加券付きの入館券(電子チケット)を事前にご購入ください。
※発売開始 8月28日(予定)。詳細は特設サイトをご確認ください。

橘井堂