橘井堂 佐野
2023年4月3日

坂本龍一さんのこと

一体何が起きているんだろう?
坂本龍一さんも旅立たれてしまった・・・。
龍一さんとは、一度しかお会いしたことがない。
2001年、NHKの番組「イエロー・マジック・ショウ」に参加させていただいた時だった。
昭和な家族設定のバラエティー番組(歌あり、コントあり!!)で、細野晴臣さんがお父さん、高橋ユキヒロさんがおじいちゃん、広田レオナさんがお母さん、僕が息子で大塚寧々さんが娘役。
そこにはっぴいえんど時代の松本隆さんや鈴木茂さんがゲストとして加わったり、坂本龍一さんが訪れたり。
で、細野さん、ユキヒロさん、龍一さんが揃ったのでYMOができるんじゃないか?と、簡易な楽器で「ライディーン」を演奏・・・という、なんとも贅沢な番組でした。

「甲野善紀さんが好きなんだって?」と、古武術家の甲野さんの術理が演技論としても役立っていたので、そんな記事を龍一さんはどこかでお読みになっていたのだろう、龍一さんは、そう僕に話しかけてくださった。同じような視点で音楽のこととも重ねていらっしゃったのかもしれない。
たった一度だけだったけど、なんとも幸福な一日だった。

お会いしたのは一度だけだけど、ステージは若い頃、何度も足を運んだ。
大瀧詠一さんのアルバムクレジットでその存在を知ったのが最初だったかな?
フュージョン・ブームの1978年頃、小原礼さん、村上ポンタさん、大村賢司さんらで結成されたバンド、カミーノのサポートでフェンダーのローズピアノを弾いていた姿がカッコ良かった。
高円寺のライブハウス、次郎吉でのライブだったが、これまたなんとも贅沢な空間と時間だった。
肩まで伸びた長髪。ブラックジーンズにデザートブーツ、黒のタートルネック、演奏中はずっとハイライトのタバコを燻らせていたっけ。

六本木のピット・インでの吉田美奈子さんのライブでもよくキーボードを弾いていらした。
YMOは武道館での散開コンサートが、やはり心に残っている。
ソロアルバムではB2-UNITやカクトウギ・セッションとのアルバムが好きだったな。
もちろん「千のナイフ」も🎶
日常をスケッチして作られたという最後のアルバム「12」を聴いていると、なんだか体が楽になる。

坂本龍一さん、素晴らしい作品の数々、演奏をありがとうございました。
安らかにお眠りください。

橘井堂