橘井堂 佐野
2023年7月7日

PANTAさん、ありがとうございました

頭脳警察のPANTAさんの訃報が届く。
遠藤賢司さん、PANTAさん、鈴木慶一さん、僕との四人で、なぜかカラオケに行ったことがあったっけ…。
PANTAさんは、ずっと軍歌を歌っていた。
70年代初頭、頭脳警察は左翼系の人たちに支持されていて、「銃をとれ」の歌のように社会批判をし、世の中を挑発していた。
僕は、そんな姿に触発されながらも、運動とは無関係に好きな音を求めてもいて、はっぴいえんどが大好きだったけど、その間の存在が遠藤賢司さんだった。鈴木慶一さんのはちみつぱいもセンチメンタルなナイーブさの中にある、どこか暴力的な眼差しが好きだった。
なので、この大好きな人たちが信頼しあっているのが、とってもよくわかるような気がしていた。

歴史の好きなPANTAさんは、僕の出演していた大河ドラマなんかもご覧になっていて、そのせいなのかどうなのか、僕とも仲良くしてくださった。
いつだったか、吉祥寺駅前のロータリーの特設ステージで吉祥寺音楽祭が開催された時、僕は弾き語りで「銃を取れ」を歌った。
その後、PANTAさんから「銃をとれ」、歌ってくれたんだって⁉︎と、言われ、ちょっとドギマギしたけど、とっても嬉しかった。
頭脳警察のトシさんも、遠藤賢司バンドでもすごかったし、もちろん頭脳警察としてPANTAさんと二人での演奏はいつもただならぬものがあった。
心ある先達たちが旅立たれるのは寂しいけれど、残された、言葉と音を心から大切にする若き人たちもまた、次へと受け渡して行かなければならないのだと、あらためて思うのだ。

トシさん、慶一さんは、まだまだ元気でお願いします‼︎僕もなんとか、生き抜きます。

PANTAさん、色々とありがとうございました。
安らかにお眠りください。

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★2018年1月31日、渋谷クアトロ、遠藤賢司さん追悼の生誕祭のライブ楽屋にて。
1971年、慶應三田祭での、はちみつぱい〜頭脳警察〜はっぴいえんど〜のステージのタイムスケジュールが押したことで混乱になって以来の和解⁉︎^^;
左より鈴木茂さん、PANTAさん、鈴木慶一さん、細野晴臣さん。
撮影:佐野史郎

橘井堂