橘井堂 佐野
2016年6月30日

奇しき写真の縁/「塩谷定好さんと沖泊、そして祖父」小川功

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この写真は私が2008年に撮影した、島根半島の沖泊(おきどまり)という漁村なのですが、かつて植田正治の師ともいうべき鳥取県赤碕の写真家、塩谷定好が「村の鳥瞰」という作品に残していた場所であります。
同じ撮影ポジションを探して、写真仲間の「りす写友会」の面々と歩いたのが思い出されます。
海女さんにサザエやアワビ、ご馳走していただいて、その場で食べた美味しさといったら!!!!
写真・・・亡き父は写真を趣味として現像、プリントもしておりましたし、母方は出雲大社の写真館。幼い頃から写真には親しみがありはしましたが、写真好きを自認するほどではありませんでした。
とはいえ、かねてより山陰から写真家が多出しているのはなぜだろう?と思ってはおりました。
そうして、植田正治の写真に導かれ、植田正治写真美術館の学芸員にしてお孫さんの故・仲田薫子さん、島根県立美術館の学芸員、蔦谷典子さん、元・都立写真美術館の学芸員にして僧侶の金子隆一さんらと出会い、見えない写真道に導かれて行くのでした。

さて、塩谷定好の「村の鳥瞰」。
この沖泊の地は、現在は松江市と合併しておりますが、かつては八束郡島根町多古沖泊。
出雲国風土記の国引き神話で知られる八束水臣津野命(やつかみずのおみつのみこと)の音が残る神話の地。

我がホームページ橘井堂の編集者でもあり、「りす写友会」のメンバーにして、高校時代からの友人、バンド仲間の小川功くんのルーツはこの沖泊。
塩谷定好の写真が好きな方々には「多古鼻」として知られるこの地ですが、小川くんや、やはり写友会のメンバーにしてバンド仲間の小豆沢茂くんたちと語らう中、なにやら奇しき縁が浮かび上がってきて・・・私が写真展を開いたり、植田正治の写真をモンタージュして撮ったショートフィルム「つゆのひとしずく」に至るあれやこれやを綾なす糸は、小川家と塩谷家の奇しき縁でもあったのでした。
流れ着いたガラス瓶の中の手紙が結ぶ縁・・・リアル神話!!??
おとぎ話かっ!!??

NHKでは放送されることのない(であろう)ファミリーヒストリーを、小川功くんが綴っております。
「塩谷定好さんと沖泊、そして祖父」小川功

是非、ご一読を!!!

橘井堂