橘井堂 佐野
2015年3月18日

金子國義さん、安らかにお眠りください


金子國義さんの訃報は四谷シモンさんから届いた。
信じられない気持ち。
どうして…と、呆然とするしかない時間。
次々と旅立つ先達たちを見送るばかりのこの数年。

初めて金子國義さんにお会いしたのは、70年代、どこの画廊だったかは忘れてしまったけど、個展で。
いちファンとして画集にサインをしていただいた。
状況劇場に入団し、四谷シモンさんに紹介していただいてからは、劇団の先輩として、憧れの画家として、また後輩としておつきあいしていただいた。
つれあいの石川真希は、状況劇場の時、シモンさんと姉妹役を務めたこともあり、状況劇場の初代女形スタア、金子國義と三姉妹といって、宴席で踊ったり、唄ったりと楽しすぎたことが忘れられない。
僕は、小説「ふたりだけの秘密」の挿絵をお願いしたり、植田正治をモチーフとしたショートフィルム「つゆのひとしずく」のロケで金子先生のギャラリー&古書店「ひぐらし」を使わせていただいたりと、色々とお世話になった。

「身分の順番にお座りなさい!」と、若い人たちと一緒に飲み屋になだれ込むと、そう言い放ったことも印象に残っている。
どこに座ったか…的確だったかな?^^;
「躾」のことを良くおっしゃってたな。
美意識…。
テレビ番組で浮世絵師、月岡芳年の案内役を務めた時にも、金子先生…ネコさんのところで取材させていただいた。「奥州安達ヶ原ひとつ家の図」や歌舞伎絵のこと、いっぱい教わったな…。
その、鬼気迫る語りっぷり‼︎
「あなた、ドロテア・タニング知らないの⁉︎」と、マックス・エルンストの妻もまた素晴らしい画家であることを知らぬ不勉強を、かつてなじられた。
嬉しかった。

想えば、我が家には金子國義さんのリトグラフ、鉛筆画が飾られており、常に金子先生の作品と共に生活している。
もちろん、これからも。

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★金子國義さんのお屋敷で。©田村尚子

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★2000年だったかな?名古屋での展覧会で。状況劇場、三姉妹と。

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