橘井堂 佐野
2000年9月22日

「フードファイト」
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★フードファイトのクランクアップ。


5月9日
今日は7月から始まる、日本テレビ土曜9時のドラマ、「フードファイト」の顔合わせ、本読みでした。
なんか、この一年、連続ドラマから離れていたから、久しぶりの感じ。
共演は草なぎ剛さん、深田恭子さん、宮沢りえさんたち。
野島伸司さんの企画で。
演出は佐藤東弥さん他。
トーヤさんは、「君といた未来のために」からのお付き合いで、大好きな監督です。
しかし、やっぱり、京都の撮影所や、舞台の現場と違って、ゲーノーカイ色が強いですなあ。
なんともいえない独特の雰囲気。
連続テレビドラマという名のセミナーとでもいいましょうか・・・。
おっと、アブナイね。
若い女優さんたちが続々と登場してきて、みんな目がキラキラしてる。
しかし、内容は捉え方によってずいぶん違って見えてきそう。
孤児院と食品会社を舞台にしているんだけど、これはなかなかディープなテーマと見た!
ただのヒーローものではもちろんないぞ!
経済とエロにタイガーマスクはどうたちむかう?
一見時代錯誤とも捕らえられかねないけれど、どうやら普遍的なテーマのようで。
それにしても、りえちゃんが映画「ぼくらの7日間戦争」でデビューして、共演していたのはもう12年も前のことなのに、つい昨日のことのよう。
明日は衣装会わせ。
ずいぶん伸びてしまった髪と、赤いままの髪をなんとかせねば・・・・。


5月25日
昨日から、日本テレビの「フードファイト」の収録が始まりました。
全体は4日くらい前から始まってるのかな?
奥さん役の宮沢りえちゃんが、今稲垣吾郎氏と一緒に映画「催眠」の監督の落合さんの初舞台演出のもと、公演中なので、休演日の昨日、ロケがあったっていうわけ。
デビューの映画「ぼくらの7日間戦争」の時は14歳だったって言ってた。
あの時は、僕はイヤーな先生で、あの辺からイッチャッてる役が増えたんだよなあ。
それまでは、お人よしの好青年の役が多かったんだから・・・。
で、久々のりえちゃんは、激ヤセの頃よりは、ずいぶんとふっくらして、大人っぽくなってた。
お芝居も丁寧でね、監督に細かく指示を仰いでた。
ウーン、見習わなくては・・・。
相方にも恵まれ、楽しくなりそう。
からーいカレーを平気でたいらげる役で、ゲスト出演のいしだ壱成さんも、おとうさんとはセンスが全然違って、かなりのマニア。
音楽の趣味があんまり同じなので、嬉しくなってしまった。
「風街ミーティング」の放送を観てくれてて、はっぴいえんどのことで意気投合。
ニール・ヤングや、ドクター・ジョンが好きだって。


6月5日
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★すっかり大人っぽくなったりえちゃんと。
今日は日活撮影所に8時半入り。
日本テレビのドラマは、いつも生田スタジオで収録するんだけど、今回の「フードファイト」は、料理や、セットの関係で、映画のスタジオです。
スタッフたちは、いつもと勝手が違うようだけど、セットロケだと思えばいつもどおりか?
僕自身は、「カラオケ」の編集、0号試写以来だから、2年ぶりかな?
かつてあったお堀や、茶屋などのオープンセットはとっくになくなっているし、以前のような活気は、なくなっているかなあ。
それでも、日活撮影所は、デビュー前にセットの建てこみのバイトで徹夜したこととか、たくさんの映画の記憶が詰まっていて、ここで育ててもらったなあという想いは強いです。
一日中、奥さん役の宮沢りえちゃんとのシーン。
どうしても、りえちゃんのデビュー映画の現場がよぎります。
なにしろ僕らは、先生と生徒の関係でしたから。
それが今では、色っぽいシーンなんぞを一緒にやっているのです。
「昔のことは忘れて」なんて、大人びた口ぶりにも、オジサンはタジタジです。
第10ステージの前で、椅子に座っていると、気持ちのいい風が吹いてきました。
やはり、映画の撮影所が好きなのです。
収録は2時間も巻いて(早く終わって)7時には帰宅しました。


6月13日
まあ、相変わらずで、「フードファイト」の現場では、初めて草なぎさんとのシーンがありました。
とは言っても、りえちゃんとのやりとりを聴いているだけのシーンなんですがね。
しかし、どうして、こうSMAPの人たちはお芝居が達者なんですかね?
初めは確か香取クンだったと思うんだけど、「沙粧妙子――最後の事件」の犯人役、凄かったよね・・・。
これでもかっていうくらい押さえたもの言いで。
吾郎ちゃんは、「特命・・・」の現場で、何時もセリフを繰り返して喋ってるんだよね。
みなさん、努力家なのでしょうか?


6月19日
今日は蒸し暑い一日でした。
「フードファイト」の4話目を収録中です。
本当は夕方からの撮影のはずだったんだけど、昨夜変更があったらしく、お昼に出かけることに。
が、しかし、FAXは、午前中に送られてきていたので、見落としていて、おお慌て!
日活撮影所は、吉祥寺の自宅からは割りと近いので、セーフでした。
おとといも収録があったんですが、今回のファイトの題材は、夏休みのオンエアーということで、ツメターイものでした。
草なぎくんの対戦相手は、桜井幸子さん。
雪女のイメージなのかな?
りえちゃんが、紗のかかった桜井さんの画面を観て、うらやましがっていました。
なにを言ってるんだ!
キレイじゃないか!そのままで!


6月20日
今日は「フードファイト」の制作発表のため、恵比寿のウエスティンホテルへ。
すごい数の取材陣でした。
田辺誠一くんが顔を出していて、どうしたのかと思ったら、5話からの登場らしく、「怪」に続いての共演となるようです。
なんか、ウレシイ。
久々に、派手な場に出かけて行った感じです。


6月29日
梅雨前線が、ちょっと南下して、久しぶりにお日様が覗いた今日の東京。
けど、蒸しますですナ。
アッツイ・・・。
朝から、武蔵小金井にあるTERAKOYAというレストランでロケ。
古いお屋敷を改装した、フランス料理の素敵なお店です。
「フードファイト」も5話に突入して、今回の対戦者は関西ジャニーズJr.の横山裕君という少年です。
色白の美少年。
先輩後輩対決というヤツですな。
で、今日もりえちゃんとのシーンだったのですが、その、横山君も一緒で。
仮面を着けて、なにやら怪しげな役どころ。
芝居とはいえ、ちゃんとそこのお料理が出てきて、美味しかった!
スネ肉をよく煮込んでから、オーブンで焼いたものだって、りえちゃん見ぬいてました。
なかなかの美食家と見た!
ワインのこともけっこう知ってるしね。
今度行ってみようかな。


6月30日
「フードファイト」の番組宣伝のため、朝は「ホンの昼飯前」、午後からは「おもいっきりテレビ」に、深田恭子さんと出演。
とは言っても、ほんの数分でした。
大変ですね、バラエティー番組の、しかも生放送というのは・・・。
オンエアーよりも前に、出来あがりを見せていただきましたが、なんか、変わった話ですよ。
設定自体は、決して目新しい感じもしないんですけどね。
要は、決闘と、ヒューマンの二本立てですから。
個人的には、贔屓目と情もあるのかもしれないですが、りえちゃんが変な意味ではなく、得をしているように思えました。
良い役だしね。


7月4日
…そうね、「フードファイト」の収録も続いていて、この間は梅津栄さんや田辺誠一君たちと一緒だったんだ。
5話なんだけど、田辺くんも、梅津さんも可笑しすぎ!
で、筧氏も一緒だったんで、下北沢で撮影後、飲みに行こうと誘ったです。
広岡由里子、谷川昭一郎といった、舞台仲間が集まることに・・・。
朝4時でした。
すみません。
こんなことしてるんです、所詮・・・。


7月22日
今週も「フードファイト」の収録でした。
日活撮影所で連続ドラマを撮るのって珍しいんだけど、ずっと居ると、入れ替り立ち替り色々な組がやってきて面白い。
ご一緒させてもらったことはないけれど、大森一樹監督とトイレでバッタリお会いしたりね。
今回は田辺(誠一)クンが対戦相手で、焼き鳥でした。
やはり、「しばらくは鳥は食べたくない」って言ってた。
でも、僕は相変わらず、ほとんどがりえちゃんとのシーンで、梅津栄さんが絡んでくるくらい。
梅津さんはオカシな方です。
りえちゃんをいつも大絶賛しています。
「もう少し若かったら・・・」などと言ってます。
かわいらしい70歳です。
書をやられるんですよね、梅津さんは。
自筆の書の入ったTシャツをいただきました。
でも、怒ると恐いんですよ!


8月9日
「フードファイト」8話の収録。
ゲストは羽賀研二さん。
接点がないように思われるかもしれませんが、何故か好感が持てました。
きっと自分にはない大らかさ故でしょう。
オキナワという地のパワーなのかな?
ちなみに7話のゲストは浅香光代、ミッチーさんでした。
うーん、やはり芸人魂の塊!
濃い!!


あとは・・・と、そうだ、水木しげる先生の四柱推命の「妖怪占い」!はまってます。
動物占ないと同じなのですが、ちなみに私は「メフィスト」・・・否定できません。
「特命リサーチ」や「フードファイト」の現場にも持っていって、布教しておりま す。
ちなみに、昨日、撮影現場で宮沢りえちゃん、調べてみましたところ、「悪魔くん」。
私とは相性バッチリでございました。


そしてそして、先日「フードファイト」クランクアップしました!
いやあ、最終回は苦しかったー!
なにしろ草ナギくんの対戦相手は僕だったのですから・・・。
いつも会長室で坐ってばかりだったから分からなかったけど、食べまくるのがシンドイ、シンドイ・・・。
「おにぎり対決」だったんですけどね、お米、四升炊いたって言ってました。
汚い話しですが、正直言いますと、私、最後に、セットでゲロ吐いちゃいました・・・詰め込みすぎたんです。
でも、久々に楽しめました。
きっと、笑えると思うんだけど・・・りえちゃんとの最後のシーンも、ちょっとグッときましたよ。
絶対観てね!
番組宣伝で、「オハー」の慎吾ママも来てくれて、華やかな最終日でした。


9月9日
「フードファイト」の打ち上げのため、六本木へ。
ゲストだった、さだまさしさんや、浅香光代さんもいらっしゃいました。
NG集は、連続ドラマの打ち上げの定番ですが、なかなかよく出来ていました。
可笑しかった。
剛くんは、出番も多いし、一番多かったカナ?
りえちゃんもハマって、何回も同じNGを出していましたねえ・・・いや、他人のことは言えません。
二次会は、カラオケ。
みんなで「らいおんハート」唄ったりして、仲良しでした。
筧くんは、劇団系の後輩といった感覚なので、どうしても話しこんでしまいます。
というか、彼が私につかまったというか・・・スンマセン。
フカキョンとも初めて話しました。
なにしろ同じ出番が1シーンもなかったのですから・・・。
りえちゃんに憧れているそうです。
剛くんもとっても楽しそうにしてました。
「淋しい・・・」とも言ってましたが・・・。 こうして、連ドラのスタッフ、キャストと集まったり、離れたりを繰り返しているのですが、久しぶりに一体感のあるチームでした。
最終回、笑えるといいなあ・・・。


さて、いよいよ最終回の「フードファイト」ですが、スポットで、九官鳥の声は誰がやっているんだ?というナゾが投げかけられていましたね。
我々にも教えられていないのですが、どうやら、SMAPのメンバーのなかの一人らしい!?デス。
言っちゃ、いけなかったかなあ・・・・・・。
となると、T・K氏か?
みんなにこっそり教えてあげてください。
そして、オンエアーで、確認しましょう!
更には、最終回のラストシーンで、ワタクシ、違う役・・・というか、エキストラで出ております。
わかるかな?
要チェック!


ところで、悪人だった「フードファイト」の最終回だが、残念ながら、私が発案したアイデアやセリフのシーンは全てカットされてしまいました。
クヤシイよー!
といいつつ、制作現場の気持ちも良くわかる(大人やねー)。
企画意図に沿った、全体のトーンを崩すようなことをしてはイケマセンネ・・・。
私演じたところの宮園会長が死んで、埋められたお墓はキリスト教のものだったしね・・・。
私の収録の前にお墓撮ってしまっていたし・・・。
もっとスタイリッシュにしなきゃ駄目よ!シローくん!
つまり、こういうことだったのです。

剛くん演ずるところの満と、宮園の二人だけのシーンが台本にはあったのですが、そこで宮園は生い立ちを語っておりました。
まあ、そうなると「おかあさん」の話しなんぞが出てきて、「なるほど」という仕掛け。
自分を捨てた母親への怨念を、りえちゃん演ずるサヤカになすりつけるという、嘘だかホントだか分からない宣言を満にしていたのです。
そうして二人のフードファイト対決の士気を高めていったのです。
シーンの最後のト書きには、「・・・と、不敵に笑う宮園・・・」なんてことが書かれてあって、それらしい雰囲気でしめくくられておりました。
それでは面白くないと、ひらめいたシローくん、ここはひとつ、自分の死を悟っている身としては、ポケットから般若心経を取り出して、唱え出すべきだと考えました。
そう、宮園は既に胃癌でしたからね。
それに戸惑う満との関係は、さらに深いものになると思ったのです・・・・「マーカーハンニャーハーラーミーター・・・」、しかし、カット!
佐藤東弥監督に恨みはありませぬぞ、全ては作品の為!
それでもって、対決のシーンではお遍路さんの格好をしておりました。
これは生かされておりましたが、その衣装の訳には、そんなことがあったのです。
更には、対決のシーンでは、いきなりおにぎり食べておりましたが、この1クールを振りかえると、皆が皆むしゃぶりついていたので、「おにぎり対決」では、違うことをやってみようとひらめいたのでした。
下記は、シローくん、リライト分シナリオ。

 フードファイト、スタートする。
 満、勢い良く食べ始める。
 すると、般若心経が聞こえてくる。
 宮園、お経を唱えながらお米を、一粒づつ食べている。
満「・・・なにやってんだ」
宮園「お米一粒つくるのに、お百姓さんは(現場では『農家の方々』の放送規定表現に従いました)一年かかるんだ。感謝しながら食べなくてはいけない。それがフードファイトの精神だ。君もそうしなさい」
 満、つくし園の子供たちのことを想いながら、宮園のルールに従う。
 が、一粒づつ食べ始めた満を確認するや否や、宮園、出し抜くように、いきなりおにぎりをむさぼり食い始める。
満「卑怯だぞ!」
宮園「バカヤロウ!日本は今、米が余ってるんだ!もっと米問題勉強しろ!!」
 以下、続く・・・。

といったものでした。
ま、しょーがないッスね。
「冬ちゃん」のころは、こんなことばかりしてたんですが・・・久々に火が点いたんだけどなあ・・・残念!
また1から出なおしですワ・・・。

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