橘井堂 佐野
2001年9月27日

松岡チーフ番外編
我がHPでも議論沸騰となった、ゴローちゃんの駐車禁止問題や、テロに対するコメントを、「特命リサーチ200X」の松岡チーフのコメントとして番組のHPに載せて頂こうとしたところ、やはり、テレビ局や番組としては、中立の立場をとるべく、政治的な発言や法律上の問題に触れている故、これはマズイだろう……ということで、自粛しましたです。
ただ、せっかく書いたし、稚拙なものの考え方だとは思うけど、どうしても胸の奥底にしまいこんでおく事が出来ないので、個人的な想いとして、載せさせていただきます。
もちろん、なーんにも解ってないのですよ、ワタクシは……。
そんな無責任な……とも思いますが、でも、……そう、解らないからこそ、どうしていいのか解らないので、書いたのです。
本当のことを言うと、知りたいのです(でも、あんまり怖かったら知らなくてもイイかなあ……?……ああ、どうすれば!!!)
繰り返し申し上げますが、下記の文章は、番組とは、いっさい関係ないので、ご了承を!


繰り返し報道されるアメリカ合衆国同時多発テロ事件のニュースでご存じの通り、首謀者と目されるビンラディン氏、及びイスラム原理主義者たち……アフガニスタンのタリバン政権へのアメリカの報復シナリオは、着々と進んでいるようだ。
しかし、こればかりは、我が社でもリサーチはできない。
国家機密レベルの情報なのだから……。
原子力潜水艦が寄港し、Y基地には核爆弾があるやもとの噂も流れ、日本に於ても、顕かに有事であることは言うまでもないことだろう。
テロによって亡くなった犠牲者や、その遺族のことを考えれば「目には目を」のアメリカ国民の感情はわからなくはない。
しかし、この復讐劇へ賛同するアメリカ国民が90%以上と聴いて、恐ろしさをも感じている。
一斉に同じベクトルでものが動くという現象は、何であれアンバランスだ。
調和が取れていないということだ。
ヤジロベエに例えれば、けれど、我ら人類はその釣り合いを取る錘だったり、支柱だったりするのだから、それこそ神様でもない限り、自らの重心を移動することは難しいのかもしれない。
アメリカを中心とした社会が言うところの自由や正義と向き合って、もう一方では相反する正義の主義主張を唱えているという事実。
そのことを、熟考しなくては……。
飛躍するかもしれないが、問題の根本は、なぜアメリカに於て人種差別問題が起きたのかということと、実は変わってはいないのかもしれないのだ。
アメリカ国家が内包し続けているそのような国家成立の矛盾を、他国の人々も同じように抱えることでしか解決できないのだろうか……?
また、そのようなことが物理的にも心情的にも可能なのだろうか?
先の世界大戦敗戦時からの日本や、現在まで脈々と続く沖縄基地問題もまた、どう言おうがアメリカ支配下にある、あるいはアメリカと共に考え行動せざるを得ないという意味で、アラブ諸国が抱えている問題と実は変わらないのではないか?
日本がアジア諸国を植民地としていた過去を、黒船以降、自ら西洋文明に支配されるという事実を認めたくないために取った、イギリスの植民地政策の模倣だとしたら、タリバン政権は、その行動に於いてまさに当時の日本と相似形だ。
島津藩が琉球を支配下に置こうとしたのも、それまでの郷(クニ)が、国に統治されてしまうという、土地の住民のアイデンティティーの喪失感からくるものではなかったのではないだろうか……?
宇宙人の侵略戦争を想定して、アメリカ合衆国は地球全世界を、タリバン政権の行為同様に、彼らが言うところの自由や正義の色に染めてしまおうというわけではなかろうが、そうでないとするならば、世界の構造を解いてみることでしか、バランスの取れた世界平和はやってきはしないだろう……。
もっとも、歴史を振り返れば、そんな世界平和の状態があった試しはないようなのだから、アンバランスな状態こそがニュートラルな状態だと解釈できなくもないが……。
いずれにしろ、報復劇のシナリオの先には、かつての広島、長崎への核爆弾投下というラストシーンと同じものが用意されているのではないかと想起させ、恐ろしい。
そのようなシナリオを描いていると、例え誤解でも、日本の片隅で思われているところの、アメリカのブッシュ大統領が、ノーベル平和賞にノミネートされているという。
平和の解釈は、繰り返し説明するまでもなく、人それぞれなのだから、文句を言う筋合いではないのかもしれない。
ただ、私には、さっぱりわからない。
きっと、ものすごく、理解力に欠けているのだろう。
ならば、黙って他人のことを聞いていれば良いのか……?
これまた、わからない。
世界人類がお互いを分かり合えることが困難で、また、分かり合うという状態は、もしかしたら、相手を想いやって自分を殺すという、その言葉の響きそのもののように、実は人類を滅亡に導くことなのかもしれない。だとすれば、もはや、世界は絶望的だ……。
ならば、せめて、隣にいる人を慈しみ、嘘でもいいからやさしくしてあげたいものだ。
もちろん、お互いがそのようにやさしくなければ、一方が傷つき、調和がとれた日々を送れるはずもないのだが……。

などと、語りたくなってしまうのも、伊達くんが駐車違反、並びに公務執行妨害の一件で、リサーチから離脱している状態が続いていることと無関係ではないのかもしれない。
国の法律というもの、地域やそれぞれが住み分けている社会による、モラルや習慣の違い……。
すべてをひとつの尺度で括らなければ、問題が解決したことにならないというのならば、「私」というものはいったいどこにあるのだろう?
家族は?地域は?国家は?国際化社会とやらは……?
有事には、仲間や友人や、家族や、国を罰し罰せられると共に、犯してしまったその行為の元凶を探りたいものだ。
そして、有事は、歴史を持ち出すまでもなく、日々、繰り返されている!
決して他人事ではなく、実は私たちが犯し続けていることなのかもしれないのだ……。
誰だって、受け入れられたいし、愛されたいのではないか?
そうでないというのなら、愛されたい人を憎んで殺さずに、ただ、見つめていてくれ!

と、2001年が特別な年になってしまったことを確認しつつ、番組の内容のこともちょいと……。
9月2日に放送された「廃墟の窓に映る幽霊の謎を追え」で、初めの方で流された再現VTRに、一瞬、女の子の顔がフワリと浮き上がって見えて怖かったというメールを随分いただきました。
たしかに、心霊写真や霊現象を扱う時に、時として不思議なことが起こることがあるけれど、あれは、合成映像のようです。
リサーチ報告として、あくまでも再現したものですから、誤解のないように!
とはいえ、これもスタッフから聞いた話なので、それを信じるかどうかは、お任せしますが……。

世界平和をあきらめず、我らFERCは真実をリサーチすべく、今日も行く!

目次ヘモドル