橘井堂 佐野
2012年1月26日

追悼 テオ・アンゲロプロス監督

テオ・アンゲロプロス監督が亡くなった。
撮影中に交通事故で亡くなったそうだ。
道路を渡ろうとしたら、バイクに跳ねられ、その後、亡くなったそうだ。
アンゲロプロス監督の作品が大好きだ。
小津安次郎監督とアンゲロプロス監督の映画に触発されて、演劇から映像の世界に飛び込んだ。
僕の映画デビュー作、「夢みるように眠りたい」でヴェネチア映画祭に招待され、レセプションパーティーの席で、ご一緒させていただいたようだが、とにかく、あの時は舞い上がってしまって、フランス映画社の川喜田かしこさん、和子さん、柴田駿さんらと世界中の色んな監督たちと同じ席にいたので、なんだ夢の中のようだったのでよく覚えていない。
その後、また、舞台に立つようになって、竹内銃一郎さんの作、演出で何本もやったが竹内さんは、よく小津安次郎とアンゲロプロスの世界観を引用して演出なさっていた。
大好きな世界だったので、とても楽しかったけれど、なかなか共感を得ることができなかったのか、竹内さんとの舞台もできなくなってしまった。
霧の中の風景、永遠と一日…全部好きだ。
数年前、フランス映画社の柴田さんが、アンゲロプロス監督が来日なさるので、会わせていただけることになっていたが、残念ながら、スケジュールかわ合わず、実現することはなかった。
実は、昨年、とある番組で、アンゲロプロス監督に僕の遺作となるショートフィルムを撮っていただきたいと、プロデューサーにお願いした。
残念ながら…というか、当然、成立しなかった。
ならば…と、思う。
幻のショートフィルムを想い描きながら、これからも俳優の仕事を続けて行こうと。

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