橘井堂 佐野
2011年1月1日

あけましておめでとうございます
新年、あけましておめでとうございます。
今年は卯年。
兎といえば、因幡の白ウサギの神話を思い出してしまうほど、ここのところ古事記や出雲神話ゆかりの仕事で度々、山陰路を巡っておりました。

ずるがしこいウサギは海を渡るために「仲間がどちらが多いか数を数える」とサメをだまして怒りを買い、皮を剥がれてしまいます。
さらにやってきた八十神がウサギに「海水で身体を洗って山の高い所で伏せるように」とけしかけ、ますます酷くなってしまいます。
泣いているところを、後から兄弟の八十神たちに荷物を持たされた人の良いオオクニヌシに「真水で洗い、ガマの穂をまき散らして身体を覆うように」と教わり、ウサギは救われたのでした。
八十神は因幡のヤカミヒメを妻にしようと旅をしていたのですが、意地悪な八十神ではなく、オオクニヌシがヤカミヒメと結ばれるとウサギは予言し、そのとおりになったのでした。

なんだか、釈然としない気持ちが残らないでもありませんが、オオクニヌシがその後、多くの人に慕われたのは分かるような気がします。
正義や真実と声高に言うことよりも、おおらかな気持ちと行動が大切。
犯した過ちや失敗を覆すことはできないけれど、それによって学ぶことが多いのも事実。
「因幡の白兎」が語り継がれている訳も、そこにあるのでしょう。

今年も、続けている小泉八雲の朗読をはじめ、あれやこれやと挑戦しなければならないことが沢山あります。
本年も、お付きあいいただけますよう、何卒、よろしくお願いいたします。

そして、みなさまにおかれましては、健康で、充実した、良い一年となりますよう!

平成23年元旦
                   佐野史郎

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